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魚類・頭足類の視覚
多くの動物において視覚器官(眼)はとても大切な感覚器官です。そのため彼らの視覚器官は、自分が棲んでいる場所の明るさや波長分布、食べている餌や天敵の形・動きなどに対応するための様々な特徴を備えています。魚類・イカ類が海の中で何をどのように見て、どのような生活を営んでいるのか、私たち人間が水の中に潜ってじっと観察することはできません。しかし彼らの視覚器官の特徴を調べることで、その一端を理解することができます。

地球の約7割の面積を占め、かつ水平・鉛直方向に大きな広がりをもつ海洋の光環境は陸上よりもはるかに複雑です。そのため魚類・イカ類は陸上動物にはない特徴的な視覚機能を備えています。


研究グループの特徴
視覚器官(眼)を研究するためには解析に適した新鮮な試料を入手し、現場で適切な処理を素早く行う必要があります。しかし広い海の中から目的の魚やイカ類を入手するのは簡単ではありません。もし入手できたとしても種を正確に判別するには高い専門性が必要です。

私たちは魚類・イカ類の系統分類、生理、生態、行動特性、そして生息する環境を常に意識して研究をしています。メンバーは皆、いつの季節、どの水域のどの水深に、どんな魚類・イカ類がいるか、どのようにして採捕するかをよく知っています。また生物資源学部が練習船「勢水丸」を有することにより、私たちは三重県沖に広がる日本有数の深海魚の宝庫である熊野灘、遠くでは種子島・屋久島から奄美大島海域に航海し、サンプルの採捕と船上での適切な処理・保存を行うことができます。このように恵まれた研究環境のもとで、様々な魚類・イカ類の視覚について研究を行っています。


メール
taeko@bio.mie-u.ac.jp